昨日、スノーシューをするために近くの山へ向かいました。
どうやら寒波も通り過ぎ、気温は-20℃まで上がりました。以前からずっと欲しかったスノーシューを10日ほど前にオンラインで注文し、前日にやっと届いたので喜んで出掛けました。ちなみにあらゆる買い物において品揃えが限られているこの地では、店頭で取り寄せやオンラインショッピングを多用するのですが、10日で届いたのは早い方で、2週間から1ヶ月待ちというのが当たり前です。
目的地へ向かう山道は交通量が多いため圧雪されていて快適に走れます。しかし途中で道が細くなり、そこからの轍は車一台分。雪の無いときは対向で走れる道ですが、冬場はそこから先へあまり車が入らないのか中央に一台分の轍があり路肩は雪が深い感じです。ちょっと迷ったのですがそのまま進みました。しばらく走ると轍がだんだん深くなりハンドルを取られるように…。ちょっとマズイかなと思い戻ることにしました。しかし車を切り返す場所も無く、仕方なくバックで元来た道を下り始めます。しかしバックでも当然ハンドルを取られ…車は徐々に右側へ。。。「ヤバイ!」と思って止めた時には時既に遅し。路肩の雪の深いところに右前後輪埋まってしまいました。
これまで散々雪道を走ってきて、路肩でスタックする車も沢山見てきました。その多くが四駆だったので、「スタックする人は運転が下手か四駆を過信している」と思っていました。そして今回まんまと自分が四駆を過信してはまってしまいました。
先にも述べたように自分は車があまり入ってこないところまで入ってきています。車が通りかかる期待はほぼ持てません。何とか自力で脱出すべく雪を掻き、車に積んでいたブランケットなどをタイヤにかませて何度も何度も乗ったり降りたりを繰り返しますがタイヤは無常にも空転するばかり。
一時間以上して自力脱出を断念。幸い街のすぐ近くなので携帯も繋がるため、たしか休みのはずの友人に電話して救援依頼。無事連絡がついたので彼が到着するまでまたひたすら雪掻き。
しばらくして友人が到着。彼の車もスタックすることを恐れ、電話で少し下のパーキングスポットへ止めるように言っていたのですが彼はそのまま登って来てしまいました。路上で少し言葉を交わしたあと、来てしまったものは仕方が無いのでとりあえず私の車を出そうということになり、彼がもう少し車を動かして駐車することに。ここで私がひとこと言えば良かったのですが…私の車の前まで行き自分の車も路肩へ寄せ始める彼。「寄せたらアカン!」と(ここは自然に関西弁で)叫びながら走り寄りましたが窓を閉めている彼には聞こえるはずも無く彼の車もスタック。。。自分もはまったことを認識して「あちゃ~」と車から降りてくる友人。ちなみにそんな彼の車も四駆です(苦笑)。
とりあえず彼を待っている間に十分雪掻きの済んだ私の車を出すことに。ちょっと押してもらったら簡単に出ました。この「ちょっとの押し」が一人ではどうにもならずもどかしい思いをしました。今度は二台をロープで繋いで引っ張り彼の車も無事脱出。二台揃ってバックでそろりそろりと開けた場所まで下って行きました。二台とも途中何度か右へ左へ寄って再スタックするのではとドキドキでしたが何とか無事開けた場所へ辿り着き、切り替えして一段落。時計を見ると既に3時半を回っていました。まだまだ日が短いですから結局スノーシューは断念。「何しに来たんだろう」という一日でした。
脱出後の友人のひとこと。「ミイラ取りがミイラになってすいません…」
とんでも無いです。おかげで助かりました。こちらこそ休みの日に申し訳なかったです。
とにかく笑い話で済んで良かったです。
最近は時間があまりないのでいろんなところで焦っていて空回りしている感じです。今回も気持ちに余裕があれば、怪しい道路状況を承知で無理して入らなかったでしょう。四駆を過信してはいけないとわかっていたはずなのに過信してしまいました。近所だからという気の緩みもありました。積んであったプラスチック製スコップの持ち手は途中で折れてしまいました。何が起こるかわからない極北の地。車に積んでおくべきものを改めて考えさせられました。携帯の電波も届かないような遠隔地でこのようなことが起こったらと思うとぞっとします。結局スノーシューも出来ず、ヘトヘトに疲れ、友人にまで迷惑をかけたとんでもない日でしたが、多くのことを学んだ収穫の多い一日だったのかもしれません。ただ一つの気がかりは…車から異臭がすること。マニュアル車なのですが脱出を試みて半クラッチで無理し過ぎたかもしれません。最悪の場合クラッチ交換。。。高い授業料になるかもしれません。
いろんなことが上手くいっている様ないっていない様な…とにかくいろいろと考えさせられ学ぶことの多い今日この頃です。そういう時期なのかもしれません。
極北カナダ・ユーコン準州より、野生動物の撮影活動や極北での暮らしについて綴っています。
2012年1月24日火曜日
2012年1月20日金曜日
ウェブマガジン【photoJ.】連載 3 (最終回)
早いものでウェブマガジン【photoJ.】の連載最終回です。3回目の今回のテーマは「人」。日本人には縁遠い極北のこの地に生きる人々を紹介。
正直なところ私は「人」の撮影が苦手で、今まであまり撮ってきませんでした。今回編集側のリクエストで「是非極北で生きる人々も紹介して欲しい」ということになり、慌ててストックを確認し、足りない分は追加撮影しました。何とか形にはなりましたが、今までにもっと撮り溜めてこなかったことを後悔しました。今回良い勉強をさせてもらったと思っています。
当初目新しかったものが、住み始めて「日常」になってくると当たり前のことのようになってきてしまいます。しかし他の地に住む人から見ればこの地は特殊で新鮮なことが沢山あるはず。気持ちを新たに日常生活の中でも感性を鋭く保ち撮っていかなければと思います。
以前に撮っていたものは単に「スナップ」であまり考えなく撮っていましたが、今回新たに撮った分は「人に観てもらう」という意識の元で撮影したので自分の中でも新たな「感覚」でした。「人の撮影も案外面白いかも…」と思えただけでも大きな収穫です。また次に発表の機会を得られたならクオリティーアップした作品をお見せしたいものです。
今回の連載にあたり協力して下さった皆様ありがとうございました。
2012年1月19日木曜日
-38℃
これまで暖かかった(と言っても最高で0℃ほどでした…)この冬ですが、ようやく数日前から寒波がやってきて冷え込みました。今日の午前11時で-38℃。午後には少し上がるようです。
「寒い」を通り越して「痛い」ですが、風が無いのが救いです。風や湿度で体感温度は更に下がります。数日前には「体感温度-50℃」と表示されていました。そんな時はさすがに外に出る気も起きません。
温暖化のせいか、ユーコンの冬は引越して来る前に想像していたほど寒くないなと感じています。昔から住んでいる人に聞くと、やはり年々暖かくなってきているそうです。それでも時おりこうして寒波がやってきます。これぐらいの寒さが来ないと冬になった気がしなくて物足りないのですが、来たら来たでやはり寒いので早く過ぎ去ってくれと思います。予報ではもう明日から暖かく(と言っても-25℃とかですが…)なるようです。-20℃位までならまだまだ外で遊べるので来週は遊べるかな?
「寒い」を通り越して「痛い」ですが、風が無いのが救いです。風や湿度で体感温度は更に下がります。数日前には「体感温度-50℃」と表示されていました。そんな時はさすがに外に出る気も起きません。
温暖化のせいか、ユーコンの冬は引越して来る前に想像していたほど寒くないなと感じています。昔から住んでいる人に聞くと、やはり年々暖かくなってきているそうです。それでも時おりこうして寒波がやってきます。これぐらいの寒さが来ないと冬になった気がしなくて物足りないのですが、来たら来たでやはり寒いので早く過ぎ去ってくれと思います。予報ではもう明日から暖かく(と言っても-25℃とかですが…)なるようです。-20℃位までならまだまだ外で遊べるので来週は遊べるかな?
2012年1月13日金曜日
ウェブマガジン【photoJ.】連載 2
先週から始まったiPad向けウェブマガジン【photoJ.】連載の2回目掲載分が発行されました。
今回の連載は3部構成で、先週の第1部が「風景」、今週の第2部が「野生動物」、来週の第3部が「人々」となっています。
野生動物を主要被写体にしている私にとっては、今回の分に最も力が入っているのは言うまでもありません。少しでも多くの方にご覧頂けると幸いです。
2012年1月10日火曜日
幻日 【Sun Dog】
今年のユーコンの冬は今までのところ暖冬で、特にここ最近は摂氏0度位まで上がっていたのですが、よりによって昨日から冷え込み始めました。細かい作業の度に手袋を外して素手でやるのですが、風があったため久々に指先の感覚を失いました。あとから聞いた話では体感温度-25℃ほどだったそうです。風の影響というのは非常に大きくて、人にもよると思うのですが、私には無風の-40℃よりも風の吹く-20℃のほうがつらいです。熱を風に奪われるのと、冷たい風が痛いためです。
さて、釣りの結果ですが…誰も釣れませんでした。でもまあ釣り自体は口実で、気の合う友と語らいながら自然の中に身を置いているのが心地良いわけですが。今回釣れなかったことを口実に、リベンジと称してまた行きます。
今回魚は釣れませんでしたが、綺麗な幻日を見ることが出来ました。
先日の光柱もそうですが、ここに住んでいるとこういう面白い大気光学現象を度々目にすることが出来ます。幻日の科学的説明は以下を参照して下さい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%BB%E6%97%A5
幻日は今までにも何度も見たことはありますが、まともに写真が撮れたのは今回が初めてです。私の主要被写体は野生動物ですが、最近はせっかく住んでいるこの地のこういう面白い現象も記録していきたいなと思っています。
Labels:
DA18-135mm,
K-5,
PENTAX,
ユーコン,
自然現象
2012年1月6日金曜日
ウェブマガジン【photoJ.】にて連載スタート
毎日新聞社発行のウェブマガジン【photoJ.】にて写真と記事が掲載されました。
1月6日号より3回連載です。
Apple社iPad向けウェブマガジンのため残念ながらパソコンで見ることは出来ませんが、もしiPadをお持ちでしたら是非ご覧下さい。
http://itunes.apple.com/jp/app/photoj/id378287064?mt=8
2012年1月4日水曜日
光柱 【Light Pillar】
![]() |
ホワイトホースの町から天に伸びる光柱 |
みなさんは『光柱』=【Light Pillar】という自然現象をご存知ですか。
恥ずかしながら、私は一ヶ月ほど前にこの現象を目にするまで知りませんでした。
夜中一時頃外に出ると、文字通り「光の柱」がたくさん天に向かって伸びていました。
残念ながらこのときは手元にカメラが無かったため撮影出来ず、一緒にいたカナディアンに「この現象は何?」と聞いても、知ってはいるものの彼らにとっても珍しい現象らしく彼らも上手く説明できませんでした。
家に帰り早速調べてみました。何と呼ばれているかも知らない現象ですから見たままに「光・柱」で検索してみると・・・そのまま『光柱』で出てきました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%89%E6%9F%B1
科学的な説明はリンク先を参照して下さい。
英語では何と呼ぶのか英語ページを見てみると・・・【Light Pillar】・・・これもそのままでした(苦笑)。
そして昨晩、夜11時ごろ外に出ると・・・再びあちこちから光の柱が天に伸びていました。慌ててカメラを取りに戻り、見晴らしの良いところでとりあえず数枚撮影。時間に追われていたため残念ながら三脚を据える事も露出を設定することも出来ず、手持ちのAutoでの撮影でしたが何とか撮れました。以前のカメラではまともに撮れなかった状況なので、改めて相棒Pentax K-5の高感度耐性と手振れ補正に惚れ直しました。
一方で今回の教訓・・・もっと常にカメラを持ち歩くこと。時間に余裕を持って行動すること。・・・ですね。
Labels:
K-5,
PENTAX,
Sigma 10-20mm F3.5,
ユーコン,
自然現象
2012年1月1日日曜日
A Happy New Year
![]() |
ユーコン川と11時過ぎの朝日 |
あけましておめでとうございます。
旧年中お世話になったみなさまありがとうございました。
本年も宜しくお願いいたします。
多忙のためブログの更新が滞っていましたが、今年はもう少し頻繁に更新していきたいと思います。
早いもので、あと一ヶ月でユーコンに引越して二年になります。全くゼロからのスタートで、生活の基盤を築くまでいろいろとありましたが、ようやく昨夏から少しずつ撮影活動を再開することが出来ました。全ては家族の支えと協力のおかげです。家族への感謝の気持ちを込めて、今年は『家族でユーコンを遊ぶ』をテーマに楽しみつつ、撮影活動も本格化していきたいと思います。
みなさまにとっても良き一年となりますように。
2012年1月1日
しばれるユーコンより
花谷 タケシ
Labels:
DA18-135mm,
K-5,
PENTAX,
ユーコン
2011年9月15日木曜日
Fall Colors in the Yukon
今年の夏は天気が悪く、やたらと雨ばかり。。。しかも私が時間のある時に降ることが多く、やりたいことが山ほどあるのに遅々として進まないもどかしい夏でした。
そしてここ北緯60度の地では季節は既に秋。紅葉の見頃も過ぎてしまいました。
ここ最近の様子をまとめてお伝えします。
8月末、家族でドーソンという町まで旅行に行ってきました。
ドーソンはホワイトホースから更に500kmほど北に位置するゴールドラッシュの時代に栄えた町です。
当時のままの歴史的建物やカジノなどがこの町の観光の売りなのですが、我が家の目当てはドーソンの更に北に位置するトゥームストーン州立公園【Tombstone Territorial Park】。ここ数年知名度が上がってきたツンドラの原野広がる美しい大地。私にとっては実に5年ぶりであり、ユーコンに住みたいと真剣に考えるようになったきっかけの地なのです。
5年前はこの界隈に長期で滞在し、8月下旬が紅葉のピークだったので、今回も同時期を狙って行ったのですが、冷夏だったせいかピークは早かったようで既に茶枯れた色が混じり始めていました。
ホワイトホースからの道中は快晴だったものの、トゥームストーンを訪れた日は生憎の曇り空。期待していた野生動物にもほとんど出会えず(リスと雷鳥のみでした)がっかり。
ユーコンに住むようになったとはいえ住んでいる町から500km以上離れているためそうそう来られる場所でもないので残念でしたが、この地に対する思いを再確認することが出来ました。来年また必ず訪れたいと思います。
さて、彼の地より南に位置するホワイトホースでは先週辺りが紅葉のピーク。町中の木々は黄葉し、町を取り巻く山の上のツンドラは赤・オレンジ・黄色と色とりどり。先週時間を見付けて近場の山を登ってきました。家から車で30分ほどで登山口【Trail Head】に着き、登ること約1時間で森林限界【Tree Line】を超え高山ツンドラ地帯【Alpine Tundra】へ。
稜線まで登ると町からは見えない向こう側の景色が眼前に広がりました。
家から1時間半でこの景色…自分が如何に素晴らしい場所に住んでいるのかを再確認。来夏はテント背負ってもっと奥まで分け入りたいと思います。
この時も出会えたのはリスと雷鳥【Ptarmigan】のみでした。
先週末は私と同じく野生動物写真家の友人とバイソンの撮影に出掛けました。この日は珍しく雲一つ無い超快晴。生息密度の高い地域なので期待して行きましたが…結果は今回も空振り。友人がブッシュの陰に角を見たのみで撮影に至りませんでした。ハンティング・シーズンなので彼らも警戒しているのでしょうか?動物たちも馬鹿ではないので猟区では明らかに人間を警戒している様子がわかります。
キャンプしながら深夜まで友人と語り合っているとやがて満月が昇り、オーロラが見え始めました。私はオーロラを撮る為にわざわざ出掛けるほうではありませんが、目の前に出ていればやはり撮りたくなるもの。そして今回がデジタルでのオーロラ初撮影でした。高感度に強いことが売りの私の新しいデジイチ。フイルム時代と勝手が違うので最初は試行錯誤でしたがなんとか撮れました。今の時期はまだ雪もなく、高感度に強いデジタルゆえ黄葉も写し込むことが出来ました。
フイルムの時代には暗く潰れていた部分まで写ること、肉眼で見えていない部分まで写ってしまうことに違和感を感じつつ、それが時代であり、これが新しい可能性を開くのかもしれないのだと、前向きに受け入れていくことにします。既にあるイメージが膨らみつつありますが、多くの条件が揃わないと撮れないカットなので腕を磨きつつ大事に温めていきたいと思います。
北の大地の短い夏はあっという間に通り過ぎてしまいました。短いことは残念ですが、短いが故に短期間に爆発するかのような極北の夏の生命の輝きが大好きです。今夏は天候が悪かった分、今から来夏を心待ちにしつつ、長い冬に向け気持ちを切り替えていきます。雪の世界にひっそりと、しかし力強く生きる動物たちの姿もまた美しいので、極寒の中での動物撮影術を向上すべくいろいろと思案中です。
そしてここ北緯60度の地では季節は既に秋。紅葉の見頃も過ぎてしまいました。
ここ最近の様子をまとめてお伝えします。
8月末、家族でドーソンという町まで旅行に行ってきました。
ドーソンはホワイトホースから更に500kmほど北に位置するゴールドラッシュの時代に栄えた町です。
当時のままの歴史的建物やカジノなどがこの町の観光の売りなのですが、我が家の目当てはドーソンの更に北に位置するトゥームストーン州立公園【Tombstone Territorial Park】。ここ数年知名度が上がってきたツンドラの原野広がる美しい大地。私にとっては実に5年ぶりであり、ユーコンに住みたいと真剣に考えるようになったきっかけの地なのです。
![]() |
Tombstone Territorial Park |
5年前はこの界隈に長期で滞在し、8月下旬が紅葉のピークだったので、今回も同時期を狙って行ったのですが、冷夏だったせいかピークは早かったようで既に茶枯れた色が混じり始めていました。
ホワイトホースからの道中は快晴だったものの、トゥームストーンを訪れた日は生憎の曇り空。期待していた野生動物にもほとんど出会えず(リスと雷鳥のみでした)がっかり。
ユーコンに住むようになったとはいえ住んでいる町から500km以上離れているためそうそう来られる場所でもないので残念でしたが、この地に対する思いを再確認することが出来ました。来年また必ず訪れたいと思います。
さて、彼の地より南に位置するホワイトホースでは先週辺りが紅葉のピーク。町中の木々は黄葉し、町を取り巻く山の上のツンドラは赤・オレンジ・黄色と色とりどり。先週時間を見付けて近場の山を登ってきました。家から車で30分ほどで登山口【Trail Head】に着き、登ること約1時間で森林限界【Tree Line】を超え高山ツンドラ地帯【Alpine Tundra】へ。
![]() |
稜線まで登ると町からは見えない向こう側の景色が眼前に広がりました。
![]() | |
Bonneville Lakes and Boundary mountain ranges |
![]() |
![]() |
この時も出会えたのはリスと雷鳥【Ptarmigan】のみでした。
![]() |
Ptarmigan |
先週末は私と同じく野生動物写真家の友人とバイソンの撮影に出掛けました。この日は珍しく雲一つ無い超快晴。生息密度の高い地域なので期待して行きましたが…結果は今回も空振り。友人がブッシュの陰に角を見たのみで撮影に至りませんでした。ハンティング・シーズンなので彼らも警戒しているのでしょうか?動物たちも馬鹿ではないので猟区では明らかに人間を警戒している様子がわかります。
キャンプしながら深夜まで友人と語り合っているとやがて満月が昇り、オーロラが見え始めました。私はオーロラを撮る為にわざわざ出掛けるほうではありませんが、目の前に出ていればやはり撮りたくなるもの。そして今回がデジタルでのオーロラ初撮影でした。高感度に強いことが売りの私の新しいデジイチ。フイルム時代と勝手が違うので最初は試行錯誤でしたがなんとか撮れました。今の時期はまだ雪もなく、高感度に強いデジタルゆえ黄葉も写し込むことが出来ました。
![]() |
Northern Lights at Aishihik Lake |
北の大地の短い夏はあっという間に通り過ぎてしまいました。短いことは残念ですが、短いが故に短期間に爆発するかのような極北の夏の生命の輝きが大好きです。今夏は天候が悪かった分、今から来夏を心待ちにしつつ、長い冬に向け気持ちを切り替えていきます。雪の世界にひっそりと、しかし力強く生きる動物たちの姿もまた美しいので、極寒の中での動物撮影術を向上すべくいろいろと思案中です。
Labels:
DA★ 60-250mm,
DA18-135mm,
K-5,
PENTAX,
オーロラ,
トゥームストーン州立公園,
ユーコン,
野生動物
2011年7月28日木曜日
アイヌ民族との交流
現在ユーコンに、遥々日本からアイヌの方たちが訪問されています。
ここユーコンは元々先住民族が暮らしてきた土地。ここでは先住民との関わりは日常的なことです。
今回、先住民に深く関わる方の熱意と努力、そして多くの方々の協力のもと、アイヌの方々をユーコンにお招きし、こちらの先住民の方々と交流するという夢のプロジェクトが実現しました。
先日到着されて早々に、今回の企画者宅にてこの町の日系人会との交流パーティーが開かれたので私も参加してきました。
小雨降る中、全員で庭へ出て感謝の儀式に参列。
火をおこし、木々に向かい、食べ物と酒を捧げて自然の恵みに感謝。共に集えたことに感謝。今日という日に感謝。
わざわざ日本からお持ち頂いた食材とこちらで獲れた鮭で民族料理も作って下さいました。
身に纏われる衣装の文様はどこかしらこちらの先住民のそれにも似た感じで不思議な感じです。
日本にいたころからアイヌ民族には非常に興味があったのですが、係わる機会もないままカナダへ移住してしまいました。まさかカナダの、しかもこんな辺鄙な町でお会いする機会を得られるとは思いもよらず、ただただ感謝するばかりです。
いろいろとお話を伺う中で最も驚いたのは、今なお残る『差別』の問題でした。
私は京都に生まれ育ったので、『部落差別』は身近にもあり知っていましたが、アイヌ民族が未だ差別に苦しんでいるとは知りませんでした。恥ずかしい限りです。
私の中で先住民族とは、『自らの文化を有し、誇り高く、自然と共に生き、生への感謝を忘れぬ崇高な人々』でしたので、自分の生まれ育った国『日本』における『アイヌ民族』は私にとっては誇らしい人々でした。
しかし彼らの受けてきた屈辱的な仕打ちを聞くにつれ、日本という国を恥ずかしく思うようになりました。
ここカナダにおいても、今となっては恥ずかしい歴史が存在しますし、未だ問題は山積みで現在進行形なのですが、それでも先住民による自治や土地所有権、狩猟など生活文化の保護保障など、先住民問題に関しては進んでいる方なのではないかと思います。
この件に関しては日本もカナダから多くを学ぶべきだと思いました。
日本を離れてしまっているので書物の入手など困難な環境ですが、幸いインターネットというもののおかげで海外にいながらもいろいろな情報を入手できるというのは本当にありがたいことです。カナダの先住民について学ぶのと平行して、アイヌの方々のことももっと学び、知識を深め、自分に出来ること(それが何かは今はまだわかりませんが…)をやっていければと思っています。
改めて、この素敵な機会を作ってくれた友人に感謝。わざわざ遠路遥々お越し下さったアイヌの方々に感謝。おばあちゃんも仰っていたのですが、日本の神様とカナダの神様が相談して夢を現実にしてくれたのだと…ただ感謝、感謝、感謝。。。
ここユーコンは元々先住民族が暮らしてきた土地。ここでは先住民との関わりは日常的なことです。
今回、先住民に深く関わる方の熱意と努力、そして多くの方々の協力のもと、アイヌの方々をユーコンにお招きし、こちらの先住民の方々と交流するという夢のプロジェクトが実現しました。
先日到着されて早々に、今回の企画者宅にてこの町の日系人会との交流パーティーが開かれたので私も参加してきました。
小雨降る中、全員で庭へ出て感謝の儀式に参列。
火をおこし、木々に向かい、食べ物と酒を捧げて自然の恵みに感謝。共に集えたことに感謝。今日という日に感謝。
わざわざ日本からお持ち頂いた食材とこちらで獲れた鮭で民族料理も作って下さいました。
身に纏われる衣装の文様はどこかしらこちらの先住民のそれにも似た感じで不思議な感じです。
日本にいたころからアイヌ民族には非常に興味があったのですが、係わる機会もないままカナダへ移住してしまいました。まさかカナダの、しかもこんな辺鄙な町でお会いする機会を得られるとは思いもよらず、ただただ感謝するばかりです。
いろいろとお話を伺う中で最も驚いたのは、今なお残る『差別』の問題でした。
私は京都に生まれ育ったので、『部落差別』は身近にもあり知っていましたが、アイヌ民族が未だ差別に苦しんでいるとは知りませんでした。恥ずかしい限りです。
私の中で先住民族とは、『自らの文化を有し、誇り高く、自然と共に生き、生への感謝を忘れぬ崇高な人々』でしたので、自分の生まれ育った国『日本』における『アイヌ民族』は私にとっては誇らしい人々でした。
しかし彼らの受けてきた屈辱的な仕打ちを聞くにつれ、日本という国を恥ずかしく思うようになりました。
ここカナダにおいても、今となっては恥ずかしい歴史が存在しますし、未だ問題は山積みで現在進行形なのですが、それでも先住民による自治や土地所有権、狩猟など生活文化の保護保障など、先住民問題に関しては進んでいる方なのではないかと思います。
この件に関しては日本もカナダから多くを学ぶべきだと思いました。
日本を離れてしまっているので書物の入手など困難な環境ですが、幸いインターネットというもののおかげで海外にいながらもいろいろな情報を入手できるというのは本当にありがたいことです。カナダの先住民について学ぶのと平行して、アイヌの方々のことももっと学び、知識を深め、自分に出来ること(それが何かは今はまだわかりませんが…)をやっていければと思っています。
改めて、この素敵な機会を作ってくれた友人に感謝。わざわざ遠路遥々お越し下さったアイヌの方々に感謝。おばあちゃんも仰っていたのですが、日本の神様とカナダの神様が相談して夢を現実にしてくれたのだと…ただ感謝、感謝、感謝。。。
2011年7月5日火曜日
マウンテンゴート
昨日はホワイトホースから東南東約90kmにある山へ登山に行ってきました。まともな登山は久しぶりで、新しく導入したデジタル機材での野生動物撮影も初めて。心地よい緊張感を抱きつつ、撮影活動再開の悦びを噛み締めながら向かいました。
今回のお目当てはマウンテンゴート。足慣らしと撮影の練習を兼ねているのでホワイトホースからの距離と動物に出会えそうな確立からこの山にしました。
登山自体は片道2kmと大した距離ではないのですが、事前に得ていた情報通り最初から超急勾配…。天気も良かったので汗だくになり息を切らせながら登りました。
森の中ではクマの糞や足跡、狼(たぶん)の糞を数多く見ましたが残念ながら彼らには会えず。
そのかわりにリスがあちこちでお出迎え。リスは町にもいますが森の中で出会うリスの方が活き活きして見えるから不思議です。
急峻な坂なのであっという間に森林限界を越えると一気に視界が開け、美しい湖とそれを取り巻く山並みを一望出来ました。
たった2kmですが所どころ足場も悪く、標高差670mを一気に登るので約2時間かかってようやく頂上付近へ。森林限界を越えてからは時々双眼鏡を取り出し岸壁にマウンテンゴートの姿を探していたのですが見当たらず、「今日はもう会えないかな…」と思い始めた頃、ようやく彼らの姿を発見。最初5~6頭まとまって見えたのですが、私が彼らに気付くと同時に彼らも私に気付き、まだまだかなり距離があるにも関わらず子供とその母親らしき数頭は見えないところへ移動してしまいました。
残った若い2頭は私を意識しながらも移動する気配もないので少しずつ距離をつめて撮影。
実はこの山のマウンテンゴート達は元々ここに住んでいたわけではなく、今から27~28年前にユーコン政府により別の場所から導入されました。このような、自然界に人が手を加える行為に対しては、問題が複雑且つ科学的過ぎて未だに自分の意見を持てずにいますが、ここに暮らす彼らはこの地に適合し、放たれる命の輝きはやはり【野生】のものでした。
断崖絶壁に生息する彼らの姿は仙人の如く神々しく、魅了されてしまった人も多いのではないでしょうか。私もまた会いに行きたいと思います。
初めて実戦使用した新機材は使い勝手も良く大変気に入りました。まだまだ慣れは必要ですが、私の期待に応えてくれる心強い相棒になりそうです。極限の状況において良い写真を撮るには、時として数値上の性能差なんかより、撮影者の機材に対する満足度・信頼度の方が重要な要素だったりしますので、そういった意味で正しい選択をしたと思います。
さて次はどこへ撮りに行こうか…。
今回のお目当てはマウンテンゴート。足慣らしと撮影の練習を兼ねているのでホワイトホースからの距離と動物に出会えそうな確立からこの山にしました。
登山自体は片道2kmと大した距離ではないのですが、事前に得ていた情報通り最初から超急勾配…。天気も良かったので汗だくになり息を切らせながら登りました。
森の中ではクマの糞や足跡、狼(たぶん)の糞を数多く見ましたが残念ながら彼らには会えず。
そのかわりにリスがあちこちでお出迎え。リスは町にもいますが森の中で出会うリスの方が活き活きして見えるから不思議です。
急峻な坂なのであっという間に森林限界を越えると一気に視界が開け、美しい湖とそれを取り巻く山並みを一望出来ました。
たった2kmですが所どころ足場も悪く、標高差670mを一気に登るので約2時間かかってようやく頂上付近へ。森林限界を越えてからは時々双眼鏡を取り出し岸壁にマウンテンゴートの姿を探していたのですが見当たらず、「今日はもう会えないかな…」と思い始めた頃、ようやく彼らの姿を発見。最初5~6頭まとまって見えたのですが、私が彼らに気付くと同時に彼らも私に気付き、まだまだかなり距離があるにも関わらず子供とその母親らしき数頭は見えないところへ移動してしまいました。
残った若い2頭は私を意識しながらも移動する気配もないので少しずつ距離をつめて撮影。
![]() |
実はこの山のマウンテンゴート達は元々ここに住んでいたわけではなく、今から27~28年前にユーコン政府により別の場所から導入されました。このような、自然界に人が手を加える行為に対しては、問題が複雑且つ科学的過ぎて未だに自分の意見を持てずにいますが、ここに暮らす彼らはこの地に適合し、放たれる命の輝きはやはり【野生】のものでした。
断崖絶壁に生息する彼らの姿は仙人の如く神々しく、魅了されてしまった人も多いのではないでしょうか。私もまた会いに行きたいと思います。
初めて実戦使用した新機材は使い勝手も良く大変気に入りました。まだまだ慣れは必要ですが、私の期待に応えてくれる心強い相棒になりそうです。極限の状況において良い写真を撮るには、時として数値上の性能差なんかより、撮影者の機材に対する満足度・信頼度の方が重要な要素だったりしますので、そういった意味で正しい選択をしたと思います。
さて次はどこへ撮りに行こうか…。
Labels:
DA★ 60-250mm,
DA18-135mm,
K-5,
PENTAX,
ユーコン,
野生動物
2011年7月1日金曜日
【リコー、HOYAからペンタックスのデジタルカメラ事業を買収】
興味の無い人にはどうでもいいニュースですが…私にとっては一大事です。
つい先日、機材をペンタックスに切り替えたばかりでこの事態。
3年半前にペンタックスがHOYAに買収された時点から不安定な状態が続いていました。
株主から嫌われ、数年前にもビクター(JVCケンウッド)による買収の噂が流れました。その時は実現しませんでしたが。厳しい状況の中で現場の人たちは頑張ったと思います。ここ数年のペンタックス製品は非常に良くなったと思います。吹っ切れたというか開き直ったと言うか…いい方向を向き始めたなと思っていました。
今回のニュースは寝耳に水だったので非常に驚きました。両社の会見によると既に2年位前から話は進んでいたようですが。
リコーといえばその昔一眼レフを作っていたこともあり、その時のレンズマウントはペンタックスと同じで互換性がありました。当時はペンタックス(旭光学)の方が断然高いレベルのカメラを作っていたのになんだか立場逆転ですね。一眼レフ撤退後もリコーは玄人好みの『高級コンパクトカメラ』というジャンルを確立し、現在も高い評価を得ています。HOYAよりもリコーの方が先行き明るいかもしれません。
会見の中でリコーの社長が以下のように発言しています。
「リコーらしい、ペンタックスらしいデジタルカメラの戦い方を求めていく。特にレンズ交換式カメラを強化し、世界と伍して戦える会社にしたい。交換レンズも増やす。カメラに関しては両社とも大変こだわりを持っている。どう活かしていくかは今後考えていく」
「ペンタックスのレンズ、絵作り、メカ設計などを実際に評価し、世界に誇れる技術だと確信している。リコーがそれをしっかりサポートしていく。事業チャン スがあれば、研究開発費もこれまで以上に投資する。大手2社(キヤノンとニコン)と同じものを作ることは全くないし、チャレンジャーとして挑戦できるとこ ろまでやっていくペンタックスは本当にいいカメラを作っているが、なぜか2社に追いつけていない。いつまでも2社じゃないだろうと思っている」
経営的な問題でユーザーは常に振り回されますが、この社長の発言には『志し』を感じますので期待したいと思います。
つい先日、機材をペンタックスに切り替えたばかりでこの事態。
3年半前にペンタックスがHOYAに買収された時点から不安定な状態が続いていました。
株主から嫌われ、数年前にもビクター(JVCケンウッド)による買収の噂が流れました。その時は実現しませんでしたが。厳しい状況の中で現場の人たちは頑張ったと思います。ここ数年のペンタックス製品は非常に良くなったと思います。吹っ切れたというか開き直ったと言うか…いい方向を向き始めたなと思っていました。
今回のニュースは寝耳に水だったので非常に驚きました。両社の会見によると既に2年位前から話は進んでいたようですが。
リコーといえばその昔一眼レフを作っていたこともあり、その時のレンズマウントはペンタックスと同じで互換性がありました。当時はペンタックス(旭光学)の方が断然高いレベルのカメラを作っていたのになんだか立場逆転ですね。一眼レフ撤退後もリコーは玄人好みの『高級コンパクトカメラ』というジャンルを確立し、現在も高い評価を得ています。HOYAよりもリコーの方が先行き明るいかもしれません。
会見の中でリコーの社長が以下のように発言しています。
「リコーらしい、ペンタックスらしいデジタルカメラの戦い方を求めていく。特にレンズ交換式カメラを強化し、世界と伍して戦える会社にしたい。交換レンズも増やす。カメラに関しては両社とも大変こだわりを持っている。どう活かしていくかは今後考えていく」
「ペンタックスのレンズ、絵作り、メカ設計などを実際に評価し、世界に誇れる技術だと確信している。リコーがそれをしっかりサポートしていく。事業チャン スがあれば、研究開発費もこれまで以上に投資する。大手2社(キヤノンとニコン)と同じものを作ることは全くないし、チャレンジャーとして挑戦できるとこ ろまでやっていくペンタックスは本当にいいカメラを作っているが、なぜか2社に追いつけていない。いつまでも2社じゃないだろうと思っている」
経営的な問題でユーザーは常に振り回されますが、この社長の発言には『志し』を感じますので期待したいと思います。
2011年6月30日木曜日
Yukon River Quest -Start-
私の住むここユーコンで『クエスト』と言えば世界的にも有名な犬ぞりレース【Yukon Quest】のことを指すのですが、これは当然真冬に行われるもの。しかし6月末の昨日、もう一つの『クエスト』がスタートしました。夏のユーコンの代名詞と言えばカヌー&カヤックでのユーコン川下りなのですが、この『夏のクエスト』はホワイトホースからドーソン・シティまでの740kmを下る【Yukon River Quest】というレース。
普通の川旅であれば2週間くらいかけてのんびり下る距離を、昨年の優勝者は42時間48分で下っています。(ある意味もったいない気もしますが…)
そんなレースに今年は日本人の友人二人が出場しています。彼らの無事と完走を願いつつスタートを見に行ってきました。
出走74チーム。これだけの数の艇が川岸に並ぶ様子は圧巻でした。カヌー&カヤック混走ですが、ソロ(一人)かタンデム(二人)か6人乗りか、男性か女性か混合かで細かくクラス分けされています。
スタートは陸の上、公園の広場からです。ここから一斉に川岸まで走っていって自分たちの艇に乗り込み出航します。
6人乗りの艇は普段あまり見る機会がありません。友人のボーイフレンドも6人乗りで出走しているようです。
数日後どんな様子で帰ってくるのか楽しみです。
Good Luck!
普通の川旅であれば2週間くらいかけてのんびり下る距離を、昨年の優勝者は42時間48分で下っています。(ある意味もったいない気もしますが…)
そんなレースに今年は日本人の友人二人が出場しています。彼らの無事と完走を願いつつスタートを見に行ってきました。
![]() |
川岸にてスタートを待つ艇 |
出走74チーム。これだけの数の艇が川岸に並ぶ様子は圧巻でした。カヌー&カヤック混走ですが、ソロ(一人)かタンデム(二人)か6人乗りか、男性か女性か混合かで細かくクラス分けされています。
![]() |
公園の広場からスタート |
スタートは陸の上、公園の広場からです。ここから一斉に川岸まで走っていって自分たちの艇に乗り込み出航します。
![]() | |
こちら6人乗りの艇 |
6人乗りの艇は普段あまり見る機会がありません。友人のボーイフレンドも6人乗りで出走しているようです。
![]() |
漕ぎ出していった友人… |
数日後どんな様子で帰ってくるのか楽しみです。
Good Luck!
Labels:
DA★ 60-250mm,
DA18-135mm,
K-5,
PENTAX,
イベント,
ユーコン
2011年6月22日水曜日
先住民の日 -National Aboriginal Day-
先日ビーバーの解体を見せてくれた方が彫刻師なのですが、彼らの彫ったトーテムポールが新しく建てられるということで、ホワイトホースから南へ約80kmの先住民の村カークロス(Carcross)へ見に行ってきました。
![]() |
真新しいトーテムポール |
![]() | |
伝統衣装を纏いダンス |
![]() |
![]() |
次の世代を担う少年の眼差しに惹かれました |
![]() | |
伝統文化の素晴らしさ、伝えていくことの大切さを改めて感じた日でした。
今の日本はどうなのでしょう…?海外へ出てしまった者が言える立場ではないのかもしれませんが、今の日本人はもっと自国の文化を誇り、後世に大切に伝えてゆくべきだと外から見ていて思います。
2011年6月7日火曜日
ビーバー解体
二週間ほど前になりますが、縁あって先住民の方に罠猟で捕まえたビーバーの解体を見せて頂く機会を得ました。
いつかは見てみたかった野生動物の解体ですが、ようやくその一部始終を間近で観察することが出来ました。
【重要!】
まず最初に、血に弱い人、グロテスクなものは苦手という人は読み進まないで下さい。気分が悪くなられても私は一切責任を持てませんので自己責任でお願いします。
さて、こちらが捕れたてビーバー。2匹捕まえたそうです。
屋内に運ばれ解体を待つビーバー。
まず最初、どこから始めるのか気になるところですが、答えは手足を外すことからでした。
彼らの間では、このビーバーの手足を赤ん坊に結び付けるのだそうです。ビーバーは朝から晩までとてもよく働くので、働き者に育つようにとのおまじないみたいなものだそうです。
次は仰向けにされ、下唇から股まで皮だけを切り開きます。
そして特殊な形をしたナイフとヘラでこそげ取るように皮を剥がしていきます。
そして頭部切断。
頭と尻尾も外された。
屋外に移り開腹。
皮は売るそうですが、今はあまり良い値では売れないそうです。
肉は当然食用です。次の機会には是非食べてみたいです。
ユーコンに移り住んで一年少々、ようやくユーコンらしい貴重な体験をさせて頂きました。
この解体の工程を見て何を思い何を感じるかは人それぞれです。
私はこの経験から『生きる』ということは『他の命を頂くこと』の上に成り立っているのだという当たり前のことをリアルに感じることが出来たと思います。
解体の現場には二歳四ヶ月の私の娘もいました。見せるべきかどうか一瞬考えましたが、先住民の子どもたちはこういう事を目の当たりにしながら育つわけで、本来当たり前のことなのだから見せることにしました。反応次第では見せるのを止めるつもりで。。。
結果、娘は平気で見ていましたし、「ビーバー!ビーバー!」と連呼していました。
解体されていく様を見て『痛そう』だとか『残酷』だとか『気持ち悪い』とか思うのは大人だけなんでしょう。スーパーでパックに入って売られている肉は平気なのに解体の様子は気持ち悪いなどと言うほうが『不自然』です。物心付く前の子どもにはそういう概念がありませんし、小さいうちからこういう事を見せられる環境に暮らせていることに改めて感謝しています。
いつかは見てみたかった野生動物の解体ですが、ようやくその一部始終を間近で観察することが出来ました。
【重要!】
まず最初に、血に弱い人、グロテスクなものは苦手という人は読み進まないで下さい。気分が悪くなられても私は一切責任を持てませんので自己責任でお願いします。
さて、こちらが捕れたてビーバー。2匹捕まえたそうです。
![]() |
大木をもかじり倒す立派な前歯。黄色いです。 |
屋内に運ばれ解体を待つビーバー。
![]() |
まず最初、どこから始めるのか気になるところですが、答えは手足を外すことからでした。
![]() |
![]() |
彼らの間では、このビーバーの手足を赤ん坊に結び付けるのだそうです。ビーバーは朝から晩までとてもよく働くので、働き者に育つようにとのおまじないみたいなものだそうです。
![]() |
外された手足。立派な水掻きがあります。 |
次は仰向けにされ、下唇から股まで皮だけを切り開きます。
そして特殊な形をしたナイフとヘラでこそげ取るように皮を剥がしていきます。
![]() |
ここで使われているヘラはムース(ヘラジカ)の骨だそうです。 |
![]() |
![]() |
パートナーも加わり見る見るうちに皮が剥がされていく。 |
![]() |
顔の皮も剥がされる。黒い目玉と耳の穴も確認できた。 |
![]() |
![]() |
ついに尻尾以外全ての皮を剥がされた。 |
そして頭部切断。
頭と尻尾も外された。
![]() |
![]() | |
前歯の長さに注目。凄く上から生えています。 |
屋外に移り開腹。
ついに内臓も取り出された。
![]() |
皮は売るそうですが、今はあまり良い値では売れないそうです。
肉は当然食用です。次の機会には是非食べてみたいです。
ユーコンに移り住んで一年少々、ようやくユーコンらしい貴重な体験をさせて頂きました。
この解体の工程を見て何を思い何を感じるかは人それぞれです。
私はこの経験から『生きる』ということは『他の命を頂くこと』の上に成り立っているのだという当たり前のことをリアルに感じることが出来たと思います。
解体の現場には二歳四ヶ月の私の娘もいました。見せるべきかどうか一瞬考えましたが、先住民の子どもたちはこういう事を目の当たりにしながら育つわけで、本来当たり前のことなのだから見せることにしました。反応次第では見せるのを止めるつもりで。。。
結果、娘は平気で見ていましたし、「ビーバー!ビーバー!」と連呼していました。
解体されていく様を見て『痛そう』だとか『残酷』だとか『気持ち悪い』とか思うのは大人だけなんでしょう。スーパーでパックに入って売られている肉は平気なのに解体の様子は気持ち悪いなどと言うほうが『不自然』です。物心付く前の子どもにはそういう概念がありませんし、小さいうちからこういう事を見せられる環境に暮らせていることに改めて感謝しています。
登録:
投稿 (Atom)