昨日、スノーシューをするために近くの山へ向かいました。
どうやら寒波も通り過ぎ、気温は-20℃まで上がりました。以前からずっと欲しかったスノーシューを10日ほど前にオンラインで注文し、前日にやっと届いたので喜んで出掛けました。ちなみにあらゆる買い物において品揃えが限られているこの地では、店頭で取り寄せやオンラインショッピングを多用するのですが、10日で届いたのは早い方で、2週間から1ヶ月待ちというのが当たり前です。
目的地へ向かう山道は交通量が多いため圧雪されていて快適に走れます。しかし途中で道が細くなり、そこからの轍は車一台分。雪の無いときは対向で走れる道ですが、冬場はそこから先へあまり車が入らないのか中央に一台分の轍があり路肩は雪が深い感じです。ちょっと迷ったのですがそのまま進みました。しばらく走ると轍がだんだん深くなりハンドルを取られるように…。ちょっとマズイかなと思い戻ることにしました。しかし車を切り返す場所も無く、仕方なくバックで元来た道を下り始めます。しかしバックでも当然ハンドルを取られ…車は徐々に右側へ。。。「ヤバイ!」と思って止めた時には時既に遅し。路肩の雪の深いところに右前後輪埋まってしまいました。
これまで散々雪道を走ってきて、路肩でスタックする車も沢山見てきました。その多くが四駆だったので、「スタックする人は運転が下手か四駆を過信している」と思っていました。そして今回まんまと自分が四駆を過信してはまってしまいました。
先にも述べたように自分は車があまり入ってこないところまで入ってきています。車が通りかかる期待はほぼ持てません。何とか自力で脱出すべく雪を掻き、車に積んでいたブランケットなどをタイヤにかませて何度も何度も乗ったり降りたりを繰り返しますがタイヤは無常にも空転するばかり。
一時間以上して自力脱出を断念。幸い街のすぐ近くなので携帯も繋がるため、たしか休みのはずの友人に電話して救援依頼。無事連絡がついたので彼が到着するまでまたひたすら雪掻き。
しばらくして友人が到着。彼の車もスタックすることを恐れ、電話で少し下のパーキングスポットへ止めるように言っていたのですが彼はそのまま登って来てしまいました。路上で少し言葉を交わしたあと、来てしまったものは仕方が無いのでとりあえず私の車を出そうということになり、彼がもう少し車を動かして駐車することに。ここで私がひとこと言えば良かったのですが…私の車の前まで行き自分の車も路肩へ寄せ始める彼。「寄せたらアカン!」と(ここは自然に関西弁で)叫びながら走り寄りましたが窓を閉めている彼には聞こえるはずも無く彼の車もスタック。。。自分もはまったことを認識して「あちゃ~」と車から降りてくる友人。ちなみにそんな彼の車も四駆です(苦笑)。
とりあえず彼を待っている間に十分雪掻きの済んだ私の車を出すことに。ちょっと押してもらったら簡単に出ました。この「ちょっとの押し」が一人ではどうにもならずもどかしい思いをしました。今度は二台をロープで繋いで引っ張り彼の車も無事脱出。二台揃ってバックでそろりそろりと開けた場所まで下って行きました。二台とも途中何度か右へ左へ寄って再スタックするのではとドキドキでしたが何とか無事開けた場所へ辿り着き、切り替えして一段落。時計を見ると既に3時半を回っていました。まだまだ日が短いですから結局スノーシューは断念。「何しに来たんだろう」という一日でした。
脱出後の友人のひとこと。「ミイラ取りがミイラになってすいません…」
とんでも無いです。おかげで助かりました。こちらこそ休みの日に申し訳なかったです。
とにかく笑い話で済んで良かったです。
最近は時間があまりないのでいろんなところで焦っていて空回りしている感じです。今回も気持ちに余裕があれば、怪しい道路状況を承知で無理して入らなかったでしょう。四駆を過信してはいけないとわかっていたはずなのに過信してしまいました。近所だからという気の緩みもありました。積んであったプラスチック製スコップの持ち手は途中で折れてしまいました。何が起こるかわからない極北の地。車に積んでおくべきものを改めて考えさせられました。携帯の電波も届かないような遠隔地でこのようなことが起こったらと思うとぞっとします。結局スノーシューも出来ず、ヘトヘトに疲れ、友人にまで迷惑をかけたとんでもない日でしたが、多くのことを学んだ収穫の多い一日だったのかもしれません。ただ一つの気がかりは…車から異臭がすること。マニュアル車なのですが脱出を試みて半クラッチで無理し過ぎたかもしれません。最悪の場合クラッチ交換。。。高い授業料になるかもしれません。
いろんなことが上手くいっている様ないっていない様な…とにかくいろいろと考えさせられ学ぶことの多い今日この頃です。そういう時期なのかもしれません。
極北カナダ・ユーコン準州より、野生動物の撮影活動や極北での暮らしについて綴っています。
2012年1月24日火曜日
2012年1月20日金曜日
ウェブマガジン【photoJ.】連載 3 (最終回)
早いものでウェブマガジン【photoJ.】の連載最終回です。3回目の今回のテーマは「人」。日本人には縁遠い極北のこの地に生きる人々を紹介。
正直なところ私は「人」の撮影が苦手で、今まであまり撮ってきませんでした。今回編集側のリクエストで「是非極北で生きる人々も紹介して欲しい」ということになり、慌ててストックを確認し、足りない分は追加撮影しました。何とか形にはなりましたが、今までにもっと撮り溜めてこなかったことを後悔しました。今回良い勉強をさせてもらったと思っています。
当初目新しかったものが、住み始めて「日常」になってくると当たり前のことのようになってきてしまいます。しかし他の地に住む人から見ればこの地は特殊で新鮮なことが沢山あるはず。気持ちを新たに日常生活の中でも感性を鋭く保ち撮っていかなければと思います。
以前に撮っていたものは単に「スナップ」であまり考えなく撮っていましたが、今回新たに撮った分は「人に観てもらう」という意識の元で撮影したので自分の中でも新たな「感覚」でした。「人の撮影も案外面白いかも…」と思えただけでも大きな収穫です。また次に発表の機会を得られたならクオリティーアップした作品をお見せしたいものです。
今回の連載にあたり協力して下さった皆様ありがとうございました。
2012年1月19日木曜日
-38℃
これまで暖かかった(と言っても最高で0℃ほどでした…)この冬ですが、ようやく数日前から寒波がやってきて冷え込みました。今日の午前11時で-38℃。午後には少し上がるようです。
「寒い」を通り越して「痛い」ですが、風が無いのが救いです。風や湿度で体感温度は更に下がります。数日前には「体感温度-50℃」と表示されていました。そんな時はさすがに外に出る気も起きません。
温暖化のせいか、ユーコンの冬は引越して来る前に想像していたほど寒くないなと感じています。昔から住んでいる人に聞くと、やはり年々暖かくなってきているそうです。それでも時おりこうして寒波がやってきます。これぐらいの寒さが来ないと冬になった気がしなくて物足りないのですが、来たら来たでやはり寒いので早く過ぎ去ってくれと思います。予報ではもう明日から暖かく(と言っても-25℃とかですが…)なるようです。-20℃位までならまだまだ外で遊べるので来週は遊べるかな?
「寒い」を通り越して「痛い」ですが、風が無いのが救いです。風や湿度で体感温度は更に下がります。数日前には「体感温度-50℃」と表示されていました。そんな時はさすがに外に出る気も起きません。
温暖化のせいか、ユーコンの冬は引越して来る前に想像していたほど寒くないなと感じています。昔から住んでいる人に聞くと、やはり年々暖かくなってきているそうです。それでも時おりこうして寒波がやってきます。これぐらいの寒さが来ないと冬になった気がしなくて物足りないのですが、来たら来たでやはり寒いので早く過ぎ去ってくれと思います。予報ではもう明日から暖かく(と言っても-25℃とかですが…)なるようです。-20℃位までならまだまだ外で遊べるので来週は遊べるかな?
2012年1月13日金曜日
ウェブマガジン【photoJ.】連載 2
先週から始まったiPad向けウェブマガジン【photoJ.】連載の2回目掲載分が発行されました。
今回の連載は3部構成で、先週の第1部が「風景」、今週の第2部が「野生動物」、来週の第3部が「人々」となっています。
野生動物を主要被写体にしている私にとっては、今回の分に最も力が入っているのは言うまでもありません。少しでも多くの方にご覧頂けると幸いです。
2012年1月10日火曜日
幻日 【Sun Dog】
今年のユーコンの冬は今までのところ暖冬で、特にここ最近は摂氏0度位まで上がっていたのですが、よりによって昨日から冷え込み始めました。細かい作業の度に手袋を外して素手でやるのですが、風があったため久々に指先の感覚を失いました。あとから聞いた話では体感温度-25℃ほどだったそうです。風の影響というのは非常に大きくて、人にもよると思うのですが、私には無風の-40℃よりも風の吹く-20℃のほうがつらいです。熱を風に奪われるのと、冷たい風が痛いためです。
さて、釣りの結果ですが…誰も釣れませんでした。でもまあ釣り自体は口実で、気の合う友と語らいながら自然の中に身を置いているのが心地良いわけですが。今回釣れなかったことを口実に、リベンジと称してまた行きます。
今回魚は釣れませんでしたが、綺麗な幻日を見ることが出来ました。
先日の光柱もそうですが、ここに住んでいるとこういう面白い大気光学現象を度々目にすることが出来ます。幻日の科学的説明は以下を参照して下さい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%BB%E6%97%A5
幻日は今までにも何度も見たことはありますが、まともに写真が撮れたのは今回が初めてです。私の主要被写体は野生動物ですが、最近はせっかく住んでいるこの地のこういう面白い現象も記録していきたいなと思っています。
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DA18-135mm,
K-5,
PENTAX,
ユーコン,
自然現象
2012年1月6日金曜日
ウェブマガジン【photoJ.】にて連載スタート
毎日新聞社発行のウェブマガジン【photoJ.】にて写真と記事が掲載されました。
1月6日号より3回連載です。
Apple社iPad向けウェブマガジンのため残念ながらパソコンで見ることは出来ませんが、もしiPadをお持ちでしたら是非ご覧下さい。
http://itunes.apple.com/jp/app/photoj/id378287064?mt=8
2012年1月4日水曜日
光柱 【Light Pillar】
ホワイトホースの町から天に伸びる光柱 |
みなさんは『光柱』=【Light Pillar】という自然現象をご存知ですか。
恥ずかしながら、私は一ヶ月ほど前にこの現象を目にするまで知りませんでした。
夜中一時頃外に出ると、文字通り「光の柱」がたくさん天に向かって伸びていました。
残念ながらこのときは手元にカメラが無かったため撮影出来ず、一緒にいたカナディアンに「この現象は何?」と聞いても、知ってはいるものの彼らにとっても珍しい現象らしく彼らも上手く説明できませんでした。
家に帰り早速調べてみました。何と呼ばれているかも知らない現象ですから見たままに「光・柱」で検索してみると・・・そのまま『光柱』で出てきました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%89%E6%9F%B1
科学的な説明はリンク先を参照して下さい。
英語では何と呼ぶのか英語ページを見てみると・・・【Light Pillar】・・・これもそのままでした(苦笑)。
そして昨晩、夜11時ごろ外に出ると・・・再びあちこちから光の柱が天に伸びていました。慌ててカメラを取りに戻り、見晴らしの良いところでとりあえず数枚撮影。時間に追われていたため残念ながら三脚を据える事も露出を設定することも出来ず、手持ちのAutoでの撮影でしたが何とか撮れました。以前のカメラではまともに撮れなかった状況なので、改めて相棒Pentax K-5の高感度耐性と手振れ補正に惚れ直しました。
一方で今回の教訓・・・もっと常にカメラを持ち歩くこと。時間に余裕を持って行動すること。・・・ですね。
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Sigma 10-20mm F3.5,
ユーコン,
自然現象
2012年1月1日日曜日
A Happy New Year
ユーコン川と11時過ぎの朝日 |
あけましておめでとうございます。
旧年中お世話になったみなさまありがとうございました。
本年も宜しくお願いいたします。
多忙のためブログの更新が滞っていましたが、今年はもう少し頻繁に更新していきたいと思います。
早いもので、あと一ヶ月でユーコンに引越して二年になります。全くゼロからのスタートで、生活の基盤を築くまでいろいろとありましたが、ようやく昨夏から少しずつ撮影活動を再開することが出来ました。全ては家族の支えと協力のおかげです。家族への感謝の気持ちを込めて、今年は『家族でユーコンを遊ぶ』をテーマに楽しみつつ、撮影活動も本格化していきたいと思います。
みなさまにとっても良き一年となりますように。
2012年1月1日
しばれるユーコンより
花谷 タケシ
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ユーコン
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