極北カナダ・ユーコン準州より、野生動物の撮影活動や極北での暮らしについて綴っています。
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2021年4月27日火曜日

4K リアルタイム オーロラ動画

私は写真家ではありますが、昨今のデジタルカメラは動画性能も凄いものとなっています。今までほとんど動画は録らなかったのですが、時々オーロラのリアルタイム動画を目にするようになり、自分の機材でも出来るものなのか気になって試してみることにしました。

これまで上げてきたオーロラ動画はいわゆるタイムラプス動画。インターバル連続撮影した静止画を繋ぎ合わせて動画にしたものでした。これは数時間かけて数百枚撮ったものを数十秒に凝縮したもの。つまり超早送り。実際のゆっくりゆったりとした見え方とはかなり異なります。本来のオーロラの『動き』を伝えるためにはやはり「リアルタイム」の動画しかありません。私の使う機種は富士フイルムのX-T3。高感度性能に特化した機種ではありませんが、それでも一昔前と比べればかなり高感度画質も上がっています。ボディが力不足な分、レンズで補いました。使用したのはXF16mm F1.4 R WR。開放F値1.4のとても明るい広角レンズです。この組み合わせで録れたのがこちら↓



ぜひ高画質&全画面でご覧下さい。



撮影場所はホワイトホースから車で東へ40分ほどのマーシュレイク【Marsh Lake】。4月25日の撮影なので解氷は始まっていますが湖岸はまだ凍っているので凍った湖の上から撮影しています。

初挑戦にしてはまずまずかなという自己評価。でも既に反省点や改善点は多数見えているので少しずつクオリティーを上げていきたいと思います。
とはいえ今シーズンのオーロラもたぶんこれで見納め。続きは秋以降に。





2014年1月8日水曜日

Foxfireブログ 【熊魂(ユーコン)通信】Vol.15公開

みなさま、遅くなりましたがあけましておめでとうございます。

2014年も引き続きアウトドアブランドFoxfire(フォックスファイヤー)のブログにて執筆させて頂きます。
早速【熊魂(ユーコン)通信】vol.15が公開されました。秋から冬にかけてのこちらの景色を写真で紹介しています。


2014年も宜しくお願い致します。


花谷 タケシ

2012年4月15日日曜日

ドールシープ 【Dall sheep】

先日、一泊二日でドールシープ【Dall sheep】という野生の羊の撮影に行ってきました。
今回は同じ町に住む写真家の友人と共に出掛けました。場所は世界遺産でもあるクルアーニー国立公園【Kluane National Park】。この国立公園にドールシープ【Dall sheep】が多数生息する山があることは以前から知っており、ずっと撮りに行きたいと思っていましたがようやく実現しました。しかも今回一緒に行った友人は長年ドールシープ【Dall sheep】を撮り続けており、この場所は彼にとって庭のようなもの。心強い相棒です。

以前カナディアン・ロッキーに住んでいた頃に近縁種であるビッグホーンシープ【Bighorn sheep】の写真は沢山撮りましたが、極北地域に住む真っ白なドールシープ【Dall sheep】はかなり標高の高いところに生息するため、これまでははるか山の上に白い点々として認識できる程度の写真しか撮れませんでした。どんな動物も初めて近くで撮る時には興奮します。今回久々に新鮮な感覚でした。

ドールシープ【Dall sheep】を撮り続けている友人が今回撮りたかったショットは・・・オーロラとドールシープ【Dall sheep】。長時間露光が必要なオーロラと動物を一緒に撮るというのはなかなか至難の業です。しかし私もデジタルに移行したときから同じことを考えてきました。フイルムの頃と比べて現在のデジタルでは高感度性能が格段に上がっているので、フイルムでは撮れなかった写真を撮れる可能性が出てきました。長年フイルムにこだわり続けてきた私がようやくデジタルに移行したのもこの『新たな可能性』に移行するだけの魅力を感じ始めたからでした。
さて今回の撮影結果は・・・


昼頃に山の麓に到着。トレイルの無い急峻な斜面を登らねばならないので、互いの装備を確認して必要最低限に絞り込みます。オーロラも狙うため徹夜覚悟ですが、まだ夜は氷点下まで冷え込むため二人でテント一つ、各自寝袋とスリーピングマット一つずつ、調理器具は持たずスナックのみにして登りました。

二時間近く登った頃でしょうか、ようやくシープのいる辺りまで辿り着きました。斜面の何ヶ所かに十数頭ずつの群れが見えるのですが、まず出会ったのはメスと子どもたちの群れ。





彼らの生活環境を目の当たりにすると、たいして植物も無く足場の悪いこんな斜面でよくも生きていけるものだとつくづく感心します。
存分に撮影した後、テントを張る予定の場所までもう一頑張り。なるべく水平なところを探しましたが結局見付からず諦めて斜面にテント設営。
ようやく荷物を降ろして再び撮影へ。今度はオスの群れを発見。


こちらが立派な角のオス


しばし撮影のあと、テントに戻ってスナックをかじりながら夜に向けての作戦会議。
オーロラを背景に撮影するにはオーロラの出る確立が高い“北”にレンズを向ける必要があります。数日前が満月だったので月明かりを当てにはしていましたが、明るさが十分でないとシープが写らないので最悪の場合でもシルエットとして写せるようにシープの後ろに空が来るアングルを探さねばなりません。暗くなる前に準備を整えないといけないので午後7時過ぎ行動開始。そのまま撮影場所での徹夜も想定し、寝袋とマットを持っていきました。座り込んで休む体制に入った群れに二人で少しずつ接近。ベストなアングルを求めて移動しつつ距離を詰めますが、近付き過ぎるとシープが嫌がって立ち上がり移動してしまいます。間合いが非常に難しく、ようやく納得のいくセッティングが整ったときにはテントからかなり離れており、しかもかなりの急斜面。だんだん暗くなってきたので寝袋とマットを取り出しオーロラの出現を待つ持久戦の始まり。
事前のリサーチでオーロラ予報は【強】(Enhanced)、天気は快晴。期待が高まります。待つこと数時間、午前0時頃、ようやくぼんやりとオーロラが見え始めました。


何とか撮れたオーロラ背景のドールシープ


 しかし残念なことにこの夜のオーロラは爆発することなくぼんやりのまま消えてしまい二度と現れませんでした。月も昇る前だったのでシープはシルエットでしか写せませんでした。月の出は午前3時過ぎ。かなりの好条件が揃ってはいたのですが全てがベストには揃いませんでした。簡単に撮れてしまうようではやり甲斐もありませんが。。。足場の悪い急斜面で闇夜を迎えたため結局テントに戻ることは出来ず、寝袋に潜り込んでもズルズルと徐々に滑り落ちてしまうため、一睡も出来ぬまま凍える夜を過ごしました。朝焼けを背景に撮影のあとようやくテントに戻り、再びスナックで空腹を満たしたあとそのまま下山。眠気に負けてそれ以上撮影の気力も無く帰路に着きました。

夜は長かったのでちょっと遊んでみました。連続撮影を繋ぎ合わせた動画です。




大変でしたが面白い挑戦でした。懲りずにまたチャレンジしたいと思います。


2012年2月21日火曜日

スノーシューでお散歩

Yukon Questの続きは書くのに気合がいるのでのんびり少しずつ書いていきます。

2月はQuestに夢中になっている間にあっという間に時間が経ってしまいました。せっかく買ったスノーシューもまだあまり試せていなかったので、今日は家のすぐ近所の森でスノーシューを履いて散歩してきました。

住宅街の外れですが、森に入るとそこら中に動物の足跡と糞があります。

跳ねているのでかんじきウサギ(Snowshoe Hare)だと思います。現在Animal Tracks勉強中。。。

トレイルを歩く分には問題ないのですが、ちょっとトレイルをそれて分け入るとスノーシューを履いていてもこれだけ埋まってしまいます。


 私の買ったスノーシューは短めで、体重が軽いからこれで十分だろうと思ったのですが、オプションの延長テールが必要そうです。もちろん雪の深さや雪質にもよるのでしょうが。。。この状態で歩くには毎歩ひざの高さまで足を上げねばならず、しばらくすると汗だくに…ちょっとしたいい運動でした。ちなみに帰ってきて温度計を見たら+3℃。暑いわけです。まだ2月だというのにこの暖かさは異常…もう一度冷え込みはくるのでしょうか。。。


さて、歩き回ってはみたものの本日お会い出来たのはアカリスさん2匹だけでした。リスは小さくすばしっこいのでまだ慣れないカメラの練習には丁度良いお相手。

お食事中に失礼しました。

真下から失礼。

こちらに興味があるようで…。

ふさふさのしっぽが綺麗ですね。

この気温が続くと例年より早く雪が無くなってしまうかもしれないので雪があるうちに時間を見付けてまた出掛けたいと思います。


おまけですが最近オーロラがよく見えます。バレンタイン・デーには午後8時前という早い時間から凄いのが出始めました。気温も-5℃ほどと暖かかったので多くの人が外に出て眺めていたようです。

2月14日バレンタイン・デー 午後9時前

2月14日バレンタイン・デー 午後9時前

時間が早かったので多くの子供たちも見られたことでしょう。3歳になったばかりのうちの娘も初めてオーロラを見ました。「おそら、みどり、きれいねー」と、何かが起こっているのだということをきちんと認識していました。

2月18日 午後8時前


2月18日 午後8時前


2月18日 午後8時前


2012年2月14日火曜日

週末の過ごし方

ここ最近は気温0℃前後と暖かな日が続いています。そこでこの週末は家族で近所の湖へ行ってきました。暖かいといっても当然湖は完全に凍っています。目的は3歳の娘をそりで遊ばせてやることと、先日車を壊す原因となってしまった新しいスノーシューを試すため。忙しかったのと、修理中で車が無かったため未だ試せていませんでした。

念願だったスノーシュー。履き心地上々。気分も上々。


凍った湖の上は吹きさらし。あいにく風が強かったので少し寒かったのですが楽しめました。



風で雪が巻き上げられて綺麗でした。


湖上で撮影をしていると爆音が近付いてきて…
「おーい、撮影してるんですけどー。。。」
スノーモービルが横切っていきました。私の後ろにも広大なスペースがあるのですが、レンズを向けている目の前を通り過ぎていきました。こちらの人たちのこういう無神経さには今更もう腹も立たないほど慣れました。今では逆に「面白いカットが撮れる!」と喜んで受け入れるようになりました。




帰り支度をしていると…先ほどまでベビーカー(バギー)を押しながら湖岸を散歩していた人が湖上を横切り始めました。なんとも雄大な散歩風景です。ちなみに我が家も所有しているこのバギーは元々自転車で引っ張るトレーラーのため車輪が大きく雪道や未舗装路も難なく進めます。子供が乗るところはキャノピー状になっていて完全防風仕様です。強大な隣国が大抵の優れた製品を供給してくれるので誇れる製品が少ないカナダですが、この製品はカナダ・カルガリー製。環境が生み出した製品ですね。


夜は天気が良かったので久しぶりにオーロラを撮りに出掛けました。町外れまで来て街灯の光に邪魔されなくなってくるとようやく肉眼でも薄っすらと出ているのが確認出来ました。しかし一番強そうな方角に雲がかかっていました。何ヶ所か移動しつつ撮影しましたが強くなる気配も無く、観光客のようにオーロラのために夜通し起きているわけにもいかないので2時前で切り上げました。いつもこの「切り上げ時」の見極めが難しいです。


 写真を見るとそれなりに出ているようですが、これはカメラの感度が良いためで、肉眼ではぼんやりと白っぽく「たぶんこの辺りに出てるな」程度です。つまり見えていないものまで写ってしまう…最近のデジカメは本当に凄いですね。

2011年9月15日木曜日

Fall Colors in the Yukon

今年の夏は天気が悪く、やたらと雨ばかり。。。しかも私が時間のある時に降ることが多く、やりたいことが山ほどあるのに遅々として進まないもどかしい夏でした。
そしてここ北緯60度の地では季節は既に秋。紅葉の見頃も過ぎてしまいました。

ここ最近の様子をまとめてお伝えします。

8月末、家族でドーソンという町まで旅行に行ってきました。
ドーソンはホワイトホースから更に500kmほど北に位置するゴールドラッシュの時代に栄えた町です。
当時のままの歴史的建物やカジノなどがこの町の観光の売りなのですが、我が家の目当てはドーソンの更に北に位置するトゥームストーン州立公園【Tombstone Territorial Park】。ここ数年知名度が上がってきたツンドラの原野広がる美しい大地。私にとっては実に5年ぶりであり、ユーコンに住みたいと真剣に考えるようになったきっかけの地なのです。

Tombstone Territorial Park

5年前はこの界隈に長期で滞在し、8月下旬が紅葉のピークだったので、今回も同時期を狙って行ったのですが、冷夏だったせいかピークは早かったようで既に茶枯れた色が混じり始めていました。
ホワイトホースからの道中は快晴だったものの、トゥームストーンを訪れた日は生憎の曇り空。期待していた野生動物にもほとんど出会えず(リスと雷鳥のみでした)がっかり。
ユーコンに住むようになったとはいえ住んでいる町から500km以上離れているためそうそう来られる場所でもないので残念でしたが、この地に対する思いを再確認することが出来ました。来年また必ず訪れたいと思います。

さて、彼の地より南に位置するホワイトホースでは先週辺りが紅葉のピーク。町中の木々は黄葉し、町を取り巻く山の上のツンドラは赤・オレンジ・黄色と色とりどり。先週時間を見付けて近場の山を登ってきました。家から車で30分ほどで登山口【Trail Head】に着き、登ること約1時間で森林限界【Tree Line】を超え高山ツンドラ地帯【Alpine Tundra】へ。



稜線まで登ると町からは見えない向こう側の景色が眼前に広がりました。

Bonneville Lakes and Boundary mountain ranges
家から1時間半でこの景色…自分が如何に素晴らしい場所に住んでいるのかを再確認。来夏はテント背負ってもっと奥まで分け入りたいと思います。





この時も出会えたのはリスと雷鳥【Ptarmigan】のみでした。

Ptarmigan

先週末は私と同じく野生動物写真家の友人とバイソンの撮影に出掛けました。この日は珍しく雲一つ無い超快晴。生息密度の高い地域なので期待して行きましたが…結果は今回も空振り。友人がブッシュの陰に角を見たのみで撮影に至りませんでした。ハンティング・シーズンなので彼らも警戒しているのでしょうか?動物たちも馬鹿ではないので猟区では明らかに人間を警戒している様子がわかります。

キャンプしながら深夜まで友人と語り合っているとやがて満月が昇り、オーロラが見え始めました。私はオーロラを撮る為にわざわざ出掛けるほうではありませんが、目の前に出ていればやはり撮りたくなるもの。そして今回がデジタルでのオーロラ初撮影でした。高感度に強いことが売りの私の新しいデジイチ。フイルム時代と勝手が違うので最初は試行錯誤でしたがなんとか撮れました。今の時期はまだ雪もなく、高感度に強いデジタルゆえ黄葉も写し込むことが出来ました。

Northern Lights at Aishihik Lake

フイルムの時代には暗く潰れていた部分まで写ること、肉眼で見えていない部分まで写ってしまうことに違和感を感じつつ、それが時代であり、これが新しい可能性を開くのかもしれないのだと、前向きに受け入れていくことにします。既にあるイメージが膨らみつつありますが、多くの条件が揃わないと撮れないカットなので腕を磨きつつ大事に温めていきたいと思います。


北の大地の短い夏はあっという間に通り過ぎてしまいました。短いことは残念ですが、短いが故に短期間に爆発するかのような極北の夏の生命の輝きが大好きです。今夏は天候が悪かった分、今から来夏を心待ちにしつつ、長い冬に向け気持ちを切り替えていきます。雪の世界にひっそりと、しかし力強く生きる動物たちの姿もまた美しいので、極寒の中での動物撮影術を向上すべくいろいろと思案中です。