極北カナダ・ユーコン準州より、野生動物の撮影活動や極北での暮らしについて綴っています。

2011年5月30日月曜日

デジタル移行

いよいよと言いますか遂にと言いますか、デジタルへ完全移行する時が来ました。
先日ウェブサイトをリニューアルしましたが、写真の95%はフイルムで撮影したものです。
デジタル全盛のご時勢ですが、私は2009年末までフイルム・メインで撮影していました。
フイルムへの拘りがあったものの、さすがに限界を感じていました。というのもリバーサル・フイルムを現像できるところがどんどん減ってきていたからです。
以前住んでいたカナディアン・ロッキーも、現在住んでいるユーコンも、現地でリバーサルを現像してくれるところはなく、都市部の現像所と郵送でやり取りするしかありません。
ロッキーにいた頃はカルガリーの現像所とやり取りしていましたが、リバーサルの現像を止めてしまうところが相次ぎ、その度に新たな現像所を探さねばならない状況でした。
北米においては日本よりもデジタル化が進んでしまっているかもしれません。日本はまだフイルムの現像にここまで困らない状況ではないでしょうか?日本を離れて久しいので現状がどうなのかよくわかりませんが。。。

カナダに移住し、ある時期からデジタル移行のタイミングを見計らっていましたが、移行するからにはよっぽど納得の出来る理由を必要としていました。
つまり、フイルムでは撮り得ない写真が撮れない限りはまだその時では無いと。
そして遂に決心に至った最大の理由は高感度耐性の向上でした。最近のデジタルの高感度画質は素晴らしく、この点においてはフイルムから大きな飛躍を遂げました。
野生動物の撮影では、日の出前後、日没前後が動物の活動や光の具合において魅力的な時間帯となります。しかしフイルムの時代においてはISO400あたりが画質的に限界で、動物の動きを止めようとすると明るいレンズ(大きく重く高い)を必要としました。
それが現在のデジタルではISO1600程度まで実用域となり、手振れ補正機能の助けもあって少々暗いレンズでもフイルムでは撮れなかったような写真が撮れる可能性を示し始めたのです。

【時】は来ましたが、機種を決断するまでには更に長い時間を必要としました。
メジャーどころのメーカーのフイルム・カメラを使っていたならレンズをそのまま使えるので同メーカーのデジタルへ移行すればよい話なのですが、私が使っていたフイルム・カメラはオリンパスで、このメーカーはフイルム・一眼レフとデジタル・一眼レフの間に長い長いブランクがありレンズの互換性がなかったため(アダプターを介して装着は出来ますが多くの制約があり実用とは言えません)、全く新たに機材を揃えなおす必要に迫られました。
日本に長期一時帰国していた2009年秋/冬、フイルム機材を完全に処分しました。この時に新機材の購入も考えたのですが、当時の経済状況と、全くの新天地であるユーコンへ移住するため生活基盤を築くためには当分撮影出来ないであろう状況から購入を見送りました。
当時は慣れ親しんだオリンパスのデジカメへの移行が有力候補でしたが、一年半の歳月は状況を大きく変えました。各メーカーの動向や方向性を鑑み、ようやく決断に至りました。

私が選んだメーカー/機種はこちら。

PENTAX K-5 with smc PENTAX-DA18-135mm
F3.5-5.6ED AL[IF]DC WR


私の撮影スタイルは原野へ分け入り野営しながらというもの。そのため体積/重量は大きな要素でした。センサーサイズの小さなオリンパスは候補だったのですが、最新のE-5という機種が先代のE-3から小型化されなかったこと、オリンパスよりセンサーサイズが大きいにも関わらず小型軽量だったペンタックスのK-7という機種がモデルチェンジにおいてサイズを保ちながら私が望んでいた高感度耐性を大きく向上したことが決め手となりました。
キヤノンやニコンも当然検討しましたが、同等の機種が大きく重かったことと、『アンチ巨人』な天邪鬼な性格でこういう結論に至りました。

いろいろと相談にのって下さった皆さまありがとうございました。
この決断が吉と出るか凶と出るかわかりませんが、これからも変わらず『らしい』撮影スタイルを貫いていきたいと思います。

ユーコン2年目にしてようやく生活も落ち着いてきました。
いよいよ今夏から少しずつではありますが『撮影活動再開』といきたいと思います。

今後とも宜しくお願いします。
乞うご期待!(と自分に発破をかけてみる)