カナダ ユーコン準州(Yukon Territory, Canada)より野生動物撮影活動および極北での生活を綴っています。

2012年4月15日日曜日

ドールシープ 【Dall sheep】

先日、一泊二日でドールシープ【Dall sheep】という野生の羊の撮影に行ってきました。
今回は同じ町に住む写真家の友人と共に出掛けました。場所は世界遺産でもあるクルアーニー国立公園【Kluane National Park】。この国立公園にドールシープ【Dall sheep】が多数生息する山があることは以前から知っており、ずっと撮りに行きたいと思っていましたがようやく実現しました。しかも今回一緒に行った友人は長年ドールシープ【Dall sheep】を撮り続けており、この場所は彼にとって庭のようなもの。心強い相棒です。

以前カナディアン・ロッキーに住んでいた頃に近縁種であるビッグホーンシープ【Bighorn sheep】の写真は沢山撮りましたが、極北地域に住む真っ白なドールシープ【Dall sheep】はかなり標高の高いところに生息するため、これまでははるか山の上に白い点々として認識できる程度の写真しか撮れませんでした。どんな動物も初めて近くで撮る時には興奮します。今回久々に新鮮な感覚でした。

ドールシープ【Dall sheep】を撮り続けている友人が今回撮りたかったショットは・・・オーロラとドールシープ【Dall sheep】。長時間露光が必要なオーロラと動物を一緒に撮るというのはなかなか至難の業です。しかし私もデジタルに移行したときから同じことを考えてきました。フイルムの頃と比べて現在のデジタルでは高感度性能が格段に上がっているので、フイルムでは撮れなかった写真を撮れる可能性が出てきました。長年フイルムにこだわり続けてきた私がようやくデジタルに移行したのもこの『新たな可能性』に移行するだけの魅力を感じ始めたからでした。
さて今回の撮影結果は・・・


昼頃に山の麓に到着。トレイルの無い急峻な斜面を登らねばならないので、互いの装備を確認して必要最低限に絞り込みます。オーロラも狙うため徹夜覚悟ですが、まだ夜は氷点下まで冷え込むため二人でテント一つ、各自寝袋とスリーピングマット一つずつ、調理器具は持たずスナックのみにして登りました。

二時間近く登った頃でしょうか、ようやくシープのいる辺りまで辿り着きました。斜面の何ヶ所かに十数頭ずつの群れが見えるのですが、まず出会ったのはメスと子どもたちの群れ。





彼らの生活環境を目の当たりにすると、たいして植物も無く足場の悪いこんな斜面でよくも生きていけるものだとつくづく感心します。
存分に撮影した後、テントを張る予定の場所までもう一頑張り。なるべく水平なところを探しましたが結局見付からず諦めて斜面にテント設営。
ようやく荷物を降ろして再び撮影へ。今度はオスの群れを発見。


こちらが立派な角のオス


しばし撮影のあと、テントに戻ってスナックをかじりながら夜に向けての作戦会議。
オーロラを背景に撮影するにはオーロラの出る確立が高い“北”にレンズを向ける必要があります。数日前が満月だったので月明かりを当てにはしていましたが、明るさが十分でないとシープが写らないので最悪の場合でもシルエットとして写せるようにシープの後ろに空が来るアングルを探さねばなりません。暗くなる前に準備を整えないといけないので午後7時過ぎ行動開始。そのまま撮影場所での徹夜も想定し、寝袋とマットを持っていきました。座り込んで休む体制に入った群れに二人で少しずつ接近。ベストなアングルを求めて移動しつつ距離を詰めますが、近付き過ぎるとシープが嫌がって立ち上がり移動してしまいます。間合いが非常に難しく、ようやく納得のいくセッティングが整ったときにはテントからかなり離れており、しかもかなりの急斜面。だんだん暗くなってきたので寝袋とマットを取り出しオーロラの出現を待つ持久戦の始まり。
事前のリサーチでオーロラ予報は【強】(Enhanced)、天気は快晴。期待が高まります。待つこと数時間、午前0時頃、ようやくぼんやりとオーロラが見え始めました。


何とか撮れたオーロラ背景のドールシープ


 しかし残念なことにこの夜のオーロラは爆発することなくぼんやりのまま消えてしまい二度と現れませんでした。月も昇る前だったのでシープはシルエットでしか写せませんでした。月の出は午前3時過ぎ。かなりの好条件が揃ってはいたのですが全てがベストには揃いませんでした。簡単に撮れてしまうようではやり甲斐もありませんが。。。足場の悪い急斜面で闇夜を迎えたため結局テントに戻ることは出来ず、寝袋に潜り込んでもズルズルと徐々に滑り落ちてしまうため、一睡も出来ぬまま凍える夜を過ごしました。朝焼けを背景に撮影のあとようやくテントに戻り、再びスナックで空腹を満たしたあとそのまま下山。眠気に負けてそれ以上撮影の気力も無く帰路に着きました。

夜は長かったのでちょっと遊んでみました。連続撮影を繋ぎ合わせた動画です。




大変でしたが面白い挑戦でした。懲りずにまたチャレンジしたいと思います。


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