極北カナダ・ユーコン準州より、野生動物の撮影活動や極北での暮らしについて綴っています。

2012年1月24日火曜日

雪道スタック

昨日、スノーシューをするために近くの山へ向かいました。
どうやら寒波も通り過ぎ、気温は-20℃まで上がりました。以前からずっと欲しかったスノーシューを10日ほど前にオンラインで注文し、前日にやっと届いたので喜んで出掛けました。ちなみにあらゆる買い物において品揃えが限られているこの地では、店頭で取り寄せやオンラインショッピングを多用するのですが、10日で届いたのは早い方で、2週間から1ヶ月待ちというのが当たり前です。

目的地へ向かう山道は交通量が多いため圧雪されていて快適に走れます。しかし途中で道が細くなり、そこからの轍は車一台分。雪の無いときは対向で走れる道ですが、冬場はそこから先へあまり車が入らないのか中央に一台分の轍があり路肩は雪が深い感じです。ちょっと迷ったのですがそのまま進みました。しばらく走ると轍がだんだん深くなりハンドルを取られるように…。ちょっとマズイかなと思い戻ることにしました。しかし車を切り返す場所も無く、仕方なくバックで元来た道を下り始めます。しかしバックでも当然ハンドルを取られ…車は徐々に右側へ。。。「ヤバイ!」と思って止めた時には時既に遅し。路肩の雪の深いところに右前後輪埋まってしまいました。


これまで散々雪道を走ってきて、路肩でスタックする車も沢山見てきました。その多くが四駆だったので、「スタックする人は運転が下手か四駆を過信している」と思っていました。そして今回まんまと自分が四駆を過信してはまってしまいました。
先にも述べたように自分は車があまり入ってこないところまで入ってきています。車が通りかかる期待はほぼ持てません。何とか自力で脱出すべく雪を掻き、車に積んでいたブランケットなどをタイヤにかませて何度も何度も乗ったり降りたりを繰り返しますがタイヤは無常にも空転するばかり。
一時間以上して自力脱出を断念。幸い街のすぐ近くなので携帯も繋がるため、たしか休みのはずの友人に電話して救援依頼。無事連絡がついたので彼が到着するまでまたひたすら雪掻き。

しばらくして友人が到着。彼の車もスタックすることを恐れ、電話で少し下のパーキングスポットへ止めるように言っていたのですが彼はそのまま登って来てしまいました。路上で少し言葉を交わしたあと、来てしまったものは仕方が無いのでとりあえず私の車を出そうということになり、彼がもう少し車を動かして駐車することに。ここで私がひとこと言えば良かったのですが…私の車の前まで行き自分の車も路肩へ寄せ始める彼。「寄せたらアカン!」と(ここは自然に関西弁で)叫びながら走り寄りましたが窓を閉めている彼には聞こえるはずも無く彼の車もスタック。。。自分もはまったことを認識して「あちゃ~」と車から降りてくる友人。ちなみにそんな彼の車も四駆です(苦笑)。

とりあえず彼を待っている間に十分雪掻きの済んだ私の車を出すことに。ちょっと押してもらったら簡単に出ました。この「ちょっとの押し」が一人ではどうにもならずもどかしい思いをしました。今度は二台をロープで繋いで引っ張り彼の車も無事脱出。二台揃ってバックでそろりそろりと開けた場所まで下って行きました。二台とも途中何度か右へ左へ寄って再スタックするのではとドキドキでしたが何とか無事開けた場所へ辿り着き、切り替えして一段落。時計を見ると既に3時半を回っていました。まだまだ日が短いですから結局スノーシューは断念。「何しに来たんだろう」という一日でした。

脱出後の友人のひとこと。「ミイラ取りがミイラになってすいません…」
とんでも無いです。おかげで助かりました。こちらこそ休みの日に申し訳なかったです。
とにかく笑い話で済んで良かったです。

最近は時間があまりないのでいろんなところで焦っていて空回りしている感じです。今回も気持ちに余裕があれば、怪しい道路状況を承知で無理して入らなかったでしょう。四駆を過信してはいけないとわかっていたはずなのに過信してしまいました。近所だからという気の緩みもありました。積んであったプラスチック製スコップの持ち手は途中で折れてしまいました。何が起こるかわからない極北の地。車に積んでおくべきものを改めて考えさせられました。携帯の電波も届かないような遠隔地でこのようなことが起こったらと思うとぞっとします。結局スノーシューも出来ず、ヘトヘトに疲れ、友人にまで迷惑をかけたとんでもない日でしたが、多くのことを学んだ収穫の多い一日だったのかもしれません。ただ一つの気がかりは…車から異臭がすること。マニュアル車なのですが脱出を試みて半クラッチで無理し過ぎたかもしれません。最悪の場合クラッチ交換。。。高い授業料になるかもしれません。

いろんなことが上手くいっている様ないっていない様な…とにかくいろいろと考えさせられ学ぶことの多い今日この頃です。そういう時期なのかもしれません。

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