極北カナダ・ユーコン準州より、野生動物の撮影活動や極北での暮らしについて綴っています。

2011年6月30日木曜日

Yukon River Quest -Start-

私の住むここユーコンで『クエスト』と言えば世界的にも有名な犬ぞりレース【Yukon Quest】のことを指すのですが、これは当然真冬に行われるもの。しかし6月末の昨日、もう一つの『クエスト』がスタートしました。夏のユーコンの代名詞と言えばカヌー&カヤックでのユーコン川下りなのですが、この『夏のクエスト』はホワイトホースからドーソン・シティまでの740kmを下る【Yukon River Quest】というレース。
普通の川旅であれば2週間くらいかけてのんびり下る距離を、昨年の優勝者は42時間48分で下っています。(ある意味もったいない気もしますが…)

そんなレースに今年は日本人の友人二人が出場しています。彼らの無事と完走を願いつつスタートを見に行ってきました。


川岸にてスタートを待つ艇

出走74チーム。これだけの数の艇が川岸に並ぶ様子は圧巻でした。カヌー&カヤック混走ですが、ソロ(一人)かタンデム(二人)か6人乗りか、男性か女性か混合かで細かくクラス分けされています。


公園の広場からスタート

スタートは陸の上、公園の広場からです。ここから一斉に川岸まで走っていって自分たちの艇に乗り込み出航します。

こちら6人乗りの艇

6人乗りの艇は普段あまり見る機会がありません。友人のボーイフレンドも6人乗りで出走しているようです。

漕ぎ出していった友人…

数日後どんな様子で帰ってくるのか楽しみです。
Good Luck!

2011年6月22日水曜日

先住民の日 -National Aboriginal Day-

カナダでは昨日6月21日は【National Aboriginal Day】(=先住民の日)。
先日ビーバーの解体を見せてくれた方が彫刻師なのですが、彼らの彫ったトーテムポールが新しく建てられるということで、ホワイトホースから南へ約80kmの先住民の村カークロス(Carcross)へ見に行ってきました。

真新しいトーテムポール

伝統衣装を纏いダンス


次の世代を担う少年の眼差しに惹かれました


伝統文化の素晴らしさ、伝えていくことの大切さを改めて感じた日でした。

今の日本はどうなのでしょう…?海外へ出てしまった者が言える立場ではないのかもしれませんが、今の日本人はもっと自国の文化を誇り、後世に大切に伝えてゆくべきだと外から見ていて思います。

2011年6月7日火曜日

ビーバー解体

二週間ほど前になりますが、縁あって先住民の方に罠猟で捕まえたビーバーの解体を見せて頂く機会を得ました。
いつかは見てみたかった野生動物の解体ですが、ようやくその一部始終を間近で観察することが出来ました。

【重要!】
まず最初に、血に弱い人、グロテスクなものは苦手という人は読み進まないで下さい。気分が悪くなられても私は一切責任を持てませんので自己責任でお願いします。




さて、こちらが捕れたてビーバー。2匹捕まえたそうです。

大木をもかじり倒す立派な前歯。黄色いです。

屋内に運ばれ解体を待つビーバー。


まず最初、どこから始めるのか気になるところですが、答えは手足を外すことからでした。




彼らの間では、このビーバーの手足を赤ん坊に結び付けるのだそうです。ビーバーは朝から晩までとてもよく働くので、働き者に育つようにとのおまじないみたいなものだそうです。

外された手足。立派な水掻きがあります。

次は仰向けにされ、下唇から股まで皮だけを切り開きます。


そして特殊な形をしたナイフとヘラでこそげ取るように皮を剥がしていきます。




ここで使われているヘラはムース(ヘラジカ)の骨だそうです。


パートナーも加わり見る見るうちに皮が剥がされていく。


顔の皮も剥がされる。黒い目玉と耳の穴も確認できた。



ついに尻尾以外全ての皮を剥がされた。

そして頭部切断。


頭と尻尾も外された。


前歯の長さに注目。凄く上から生えています。

屋外に移り開腹。



 ついに内臓も取り出された。



皮は売るそうですが、今はあまり良い値では売れないそうです。
肉は当然食用です。次の機会には是非食べてみたいです。

ユーコンに移り住んで一年少々、ようやくユーコンらしい貴重な体験をさせて頂きました。
この解体の工程を見て何を思い何を感じるかは人それぞれです。
私はこの経験から『生きる』ということは『他の命を頂くこと』の上に成り立っているのだという当たり前のことをリアルに感じることが出来たと思います。
解体の現場には二歳四ヶ月の私の娘もいました。見せるべきかどうか一瞬考えましたが、先住民の子どもたちはこういう事を目の当たりにしながら育つわけで、本来当たり前のことなのだから見せることにしました。反応次第では見せるのを止めるつもりで。。。
結果、娘は平気で見ていましたし、「ビーバー!ビーバー!」と連呼していました。
解体されていく様を見て『痛そう』だとか『残酷』だとか『気持ち悪い』とか思うのは大人だけなんでしょう。スーパーでパックに入って売られている肉は平気なのに解体の様子は気持ち悪いなどと言うほうが『不自然』です。物心付く前の子どもにはそういう概念がありませんし、小さいうちからこういう事を見せられる環境に暮らせていることに改めて感謝しています。

2011年6月2日木曜日

一眼レフカメラ用GPSユニット

ようやく新しい機材がペンタックスに決まったところですが、昨日面白い新製品の発表がありました。
【一眼レフカメラ用GPSユニット】なる製品で、撮影画像に位置情報を記録できるアクセサリーです。
ここ最近、このGPS機能を搭載したコンパクト・デジカメが各メーカーから発売され、撮影状況の記録用にいずれ一台欲しいかなと思い始めていました。道の無い原野で撮影すると、あとから地図を見ても撮影場所を特定するのは非常に困難です。デジタルに移行するからにはこういう使える機能はどんどん取り入れていきたいものです。

カタチはちょっといただけませんが(苦笑)、簡易防滴構造なうえに電池込みの重量が約60gらしいので、GPS付コンデジより軽く済むのも魅力的です。価格もコンデジより安いです。緯度・経度・高度・UTC(世界協定時)・方位を記録。さらに簡易天体追尾撮影機能というのが付いているそうです。天体撮影は専門外なのでどういう機能かよくわかりませんが面白そうです。詳しい友人がコメントに解説を書いてくれることでしょう(笑)。

カメラメーカー純正でGPSユニットを出しているのは確か今までのところニコンだけだったと思うので、早速ペンタックスにしたメリットが出てきました。

道具の話ばかりしていても仕方ないので早く撮りに行きたいところですが…その前にさっさと望遠レンズ決断して買わないと。。。